この研修について
7月にお渡しした提案書とInstagramマニュアルは、どちらも読む資料でした。今回は、それを手が動く状態に変えるためのプログラムです。
優先順位は、①紙で管理しているデータのデジタル化、②画像生成、とうかがっています。この順番で組みました。担当は奥様と聞いていますので、「一人で回せること」が設計の軸。
使うツールは3つだけ
便利なものを足していくと、どれも中途半端になって、結局紙に戻ります。物足りなく感じても増やさない。慣れてから、必要になったものだけ足す形で十分です。
この資料はたたき台です。回数・時間・順番、どこでも変えられます。仮置きした条件は次のとおり。実施形態は第1回のみ現地で、あとはオンライン。1回あたり90〜120分。撮影は現場スタッフの方に補助いただく前提で組んでいます。
全体の流れ
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00
事前確認 30分・オンライン
紙の実物を見せていただき、パソコンとスマホの環境、アカウントの有無を確認します。研修当日にアカウント作成で30分溶ける、という形を防ぐ回。
↓ こちらで準備:台帳・フォーム・ハンドブックの制作、読み取り精度の検証
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01
紙をデータに変える 120分・現地
項目を決めて、台帳を開いて、新規1件を入力。そのあと紙を写真に撮ってAIに読ませ、表に変換するところまで手を動かします。
↓ 宿題:過去の顧客カード20枚をデータ化(2週間)
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02
画像を作る 120分
在庫車1台を8カットで撮影。投稿文一式をAIに出させて、テンプレートに流し込み、検品まで通します。
↓ 宿題:在庫車2台分の投稿を作って、実際に出す(1か月)
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03
溜めたデータを使う 90分・オンライン
車検2か月前のリストを自分で出す。表をAIに渡して質問する。月1回のルーティンをカレンダーに入れるところまで。
↓ 1か月
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→
フォロー回 60分・オンライン
議題を用意しない回。1か月やってみて出てきた質問に答えます。止まっている作業があれば、その場で一緒に動かします。
間隔をあける理由
詰め込んだほうが早く終わりそうに見えますが、逆です。研修で覚えたことは、自分で1回やらないと残りません。宿題をやる時間を挟まないと、次の回が「前回のことを忘れた」から始まって、結局やり直しになる。
第3回を1か月後にしているのには、もうひとつ理由があります。データを使う回なので、データが溜まっていないと演習ができません。空の表を見ても学べることがない。だから、宿題で入力が進んだあとに設定しました。
日程が取れない場合は、第1回と第2回だけ実施して、第3回の内容は手順書とフォロー回で代替する形も可能です。半日集中の1回にまとめることもできますが、後半は集中力が切れて実技が減るので、定着は落ちます。おすすめは3回。ただ、動き出すことのほうが大事なので、日程が理由で止まるくらいなら削るほうがいいと考えています。
終わったときの状態
「AIが分かった」ではなく、「これができる」で書きます。
- 新しいお客様の情報を、スマホから1件3分で登録できる
- 紙の台帳を写真に撮って、AIに読ませて表に変換できる
- AIが読み間違えやすい箇所を知っていて、そこだけ目で確認できる
- 実車写真をAIに通してはいけない理由を、人に説明できる
- 1台分の投稿(画像5枚+キャプション)を30分以内に作れる
- 出来上がったものを、投稿前に検品リストで確認できる
- 「車検が2か月後に切れるお客様」の一覧を自分で出せる
- 溜まったデータをAIに渡して、売れ筋や在庫日数を聞ける
- 月に1回やることが決まっていて、カレンダーに入っている
この3つが揃えば、外部に頼らず回る状態です。
第1回 — 紙をデータに変える
120分・現地。紙の実物がある場所でやりたい回です。ここだけは現地をお願いしたいところ。
0:10-0:30 — 項目を決める
ここが一番大事な20分です。項目を欲張ると、入力が続きません。最初は次の8項目だけで始めることを提案します。
| # | 項目 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | お名前 | — |
| 2 | 電話番号 | 連絡手段。1つでいい |
| 3 | お住まい(市区町村まで) | エリア分析に使う |
| 4 | 購入日 | — |
| 5 | 車種 | — |
| 6 | 車検満了日 | 案内を出すときの起点 |
| 7 | 販売価格 | — |
| 8 | メモ(自由記入) | 迷ったらここに書けば止まらない |
生年月日、勤務先、家族構成といった項目は、入れたくなりますが最初は外します。慣れてから増やす。増やすのは簡単で、続かなくなったものを立て直すのは大変だからです。
古物台帳として法律上の保存義務がある項目は、これとは別に管理します。記載要件があるので、既存の台帳の形をそのまま写すのではなく、要件を満たす形に組み直す。所轄の警察署か顧問の先生に一度確認いただくのが安全です。
1:10-1:40 — 紙をAIに読ませる
- 顧客カードを1枚、スマホで撮る(明るいところで、影が入らないように)
- ChatGPTに写真を送り、決まった文章を貼り付ける
- 出てきた表を確認する
- スプレッドシートに貼り付ける
2で使う文章は、コピーして使える形でお渡しします。毎回打つ必要はありません。
1:40-1:55 — 間違えるところを知る
AIは、それらしく間違えます。読めなかったところを空欄にするのではなく、もっともらしい別の文字を入れてくる。ここが怖いところ。
- 数字の 1 と 7、0 と 6
- 手書きの「ー」と「一」
- 電話番号の桁数
- 年号(令和と西暦の変換で間違えることがあります)
対策はシンプルで、電話番号と日付と金額だけは目で確認する。名前や住所は多少の誤字があってもあとで直せますが、この3つは間違うと実害が出ます。
過去の顧客カードを20枚、データ化してください。1日3枚で1週間かかりません。20枚と決めているのは、全部やろうとすると手が止まるからです。まず20枚で感覚をつかんで、続けられそうなら増やす。詰まったところをメモしておいていただけると、次回の冒頭で扱えます。
第2回 — 画像を作る
120分。7月にお渡ししたInstagramマニュアルが教材になります。あの資料を、読むから作るに変える回。
0:15-0:30 — ここは飛ばせません
実車の写真をAIに渡すと、ヘッドライトの形もエアコンの吹き出し口も別物に描き変わります。7月の検証で確認済みで、比較画像もお渡ししてあります。スタッフの方の顔も別人になりました。
これを知らずに使うと、掲載規約に触れる可能性が出ますし、納車のときに「写真と違う」と言われます。だから先にここを共有する。理屈が分かっていれば、あとで応用が利きます。禁止事項として丸暗記するだけだと、忘れたときに事故が起きる。
実車の写真とスタッフの写真は、AIに通さない。文字とデザインだけをAIに作らせて、写真は元のファイルをそのまま重ねます。
0:30-0:50 — 撮影
実際に在庫の車を1台使わせてください。マニュアル第7章の8カットを、その場で撮ります。
撮るのは現場スタッフの方でも構いません。むしろ、普段撮る人が一緒に入っていただけると、そのあとが回りやすくなる。奥様が文字を作り、スタッフが写真を撮る。この分担ができると、一人に集中しません。
1:20-1:50 — テンプレートに流し込む
Canvaのテンプレートに、AIが作った文字を流し込みます。文字を打ち替えて写真を差し替えるだけの状態にしたものを、こちらで用意する予定です。
在庫車を2台選んで、投稿を作って、実際にInstagramに出してください。作るだけで止めないのがポイント。出すところまでやると、「文字が切れる」「ハッシュタグが多すぎる」といった、やってみないと分からないことが全部出てきます。それを次回に持ってきてください。
第3回 — 溜めたデータを使う
90分・オンライン。第2回から1か月後、データが溜まった状態で実施します。
出せるようになる一覧
- 車検が2か月後に切れるお客様(案内を出す先のリスト)
- 3年前に購入されたお客様(乗り換えの提案先)
- 特定の市区町村にお住まいのお客様(チラシを撒く場所の判断材料)
この3つを、自分の手で出せるところまでやります。
AIに聞くこと
表をそのままAIに渡して、日本語で質問する形です。関数を覚える必要はありません。聞く内容は、たとえばこんな形。
- 「この表から、車種ごとの平均販売価格を出してください」
- 「購入から3年以上たっているお客様を、車検満了日が近い順に並べてください」
- 「どの車種が一番早く売れているか教えてください」
データが少ないうちは答えの精度も上がりませんが、やり方だけ覚えておけば、溜まるほど使えるようになります。
月1回やることを決める
研修が終わったあと、何もしないと止まります。だから、月に1回やることをその場で決めてしまう。毎月1日に車検2か月前リストを出す。毎月末に、その月に売れた台数と平均日数を見る。これをカレンダーに登録するところまでやります。
用意するもの
こちらで用意するもの
| # | もの | いつまで | 状況 |
|---|---|---|---|
| 1 | 顧客・車両台帳(Googleスプレッドシート) | 第1回まで | これから制作 |
| 2 | スマホ入力フォーム(Googleフォーム) | 第1回まで | これから制作 |
| 3 | 紙を読み取らせるプロンプト | 第1回まで | これから制作 |
| 4 | 受講者用ハンドブック | 第1回まで | これから制作 |
| 5 | Canvaテンプレート | 第2回まで | 写真待ち |
| 6 | 投稿文生成プロンプト | — | 済(マニュアル第5章) |
| 7 | 検品チェックリスト | — | 済(マニュアル第9章) |
ひとつだけ、御社の動きに依存します
テンプレートは、実際に撮った写真のサイズに合わせて作るほうが精度が出ます。次に入庫する1台で、マニュアル第7章の8カットを撮っていただけると助かります。ここだけが日程に影響する箇所です。
ご用意いただくもの
- Googleアカウント(お持ちでなければ第0回で一緒に作ります)
- ChatGPTまたはGeminiのアカウント
- Canvaのアカウント(無料版で足ります)
- 第1回に、紙の台帳・顧客カードの実物
- 第2回に、在庫車1台(撮影に使います)
文章を作るだけなら無料版で回ります。画像生成を使う場合は回数制限に当たるので、月20ドルの有料版が現実的。ただ、今回の方式では画像生成をほとんど使いません。文字はAI、写真は差し替えという作り方なので、有料版が必須というわけでもない。1か月ほど無料版で試して、足りなければ切り替える形でいいと思います。
到達度の確認
各回の終わりに、その場でできるかを見ます。テストではなく、詰まっている箇所を見つけるためのものです。
| 回 | 確認すること | 目安 |
|---|---|---|
| 第1回 | 新規1件を入力する | 3分以内 |
| 第1回 | 紙1枚をAIで表にする | 5分以内 |
| 第2回 | 1台分の投稿5枚を作る | 30分以内 |
| 第2回 | 検品リストを通す | 5分以内 |
| 第3回 | 車検2か月前のリストを出す | 3分以内 |
できなければ、その場でやり直します。持ち帰らせません。
研修のあと
研修が終わって資料だけ残る、という形にはしたくないので、続く仕組みを3つ入れます。
手順書を残す
研修で使った操作は、すべてハンドブックに載せます。半年後に忘れても、これを見れば思い出せる形に。
質問先を決める
詰まったときに聞ける窓口を用意します。チャットで構いません。詰まってから次のフォロー回まで1か月待つ形だと、その間ずっと手が止まってしまう。
副担当を1人つくる
奥様お一人に集中すると、お休みのときに止まります。撮影だけでも現場の方に持っていただけば、負荷が分散する。第2回に撮影担当の方が同席いただきたいのは、この理由からです。
うまくいかないパターン
同じような研修で止まる原因は、だいたい決まっています。先に書いておきます。
ツールを増やしすぎる
便利なものを足していくと、どれも中途半端になって、結局紙に戻ります。今回はスプレッドシート、AI、Canvaの3つだけ。
過去の紙を全部デジタル化しようとする
1,000枚あったら心が折れます。まず20枚、次に「今後もお付き合いのあるお客様」だけ。全部やる必要はありません。
項目を最初から完璧にしようとする
入力に3分かかる形にすると続きません。8項目で始めて、慣れたら増やす。
研修当日に環境構築で時間を使う
アカウント作成、パスワード忘れ、ブラウザの設定。これで1時間溶けることがあります。第0回を置いているのは、この対策です。
AIの答えをそのまま信じる
読み取りも文章も、必ず間違えます。どこを疑うかを研修に組み込んでいるのは、これが理由。
確認させてください
- 実施の時期(いつごろから始めたいか)
- 第1回を現地でやることは可能か。可能な日程の候補
- 第2回・第3回はオンラインで問題ないか
- 撮影担当の方が第2回に同席できるか
- 紙の台帳の種類と、おおよその枚数
- ChatGPTまたはGeminiを、いま使っているか
- 回数と時間について、3回でよいか、もっと短くしたいか
- 研修の中で「これも扱ってほしい」ものがあるか
第0回で確認する内容と重なりますが、事前に分かる範囲で教えていただけると、準備が一段進んだ状態で始められます。
次にやること
この資料に赤ペンを入れてください。回数・時間・順番、どこでも変えられます。並行して、次に入庫する1台で8カット撮影をお願いできますか。日程が決まり次第、第0回までに台帳・フォーム・ハンドブックを用意します。